ぜんぜん本気でない改元法改良案。
げんざい用いられている一世一元の制というのは, 日本においては明治からはじまったもので, あまり伝統的とは言えない。 それに即位(踐祚)によって改元するのでは, いつ改元するのかをあらかじめ知ることができないので, 一時的に混乱がおきるのをさけられない。
いっそのこと, 即位改元をやめて, かわりに辛酉改元の伝統を復活させてはどうかとおもう。 辛酉年に元号を変えることは, 延喜(901)にはじまり, それ以降, 戦国(1561)・江戸初期(1621)を例外として, 毎回改元をおこなってきた。 即位改元のほうはおこなわれなかったこともある (南北朝のころとか)。 それに, 辛酉年は西暦の 1の位がかならず 1 になるので, 西暦との換算も便利だ。
あらかじめ, 今後もちいる 50個ほどの元号を公表しておけば, さらに便利だろう。 50個あれば 3000年もつ。 これは神武紀元元年からいままでより長い。
この方法の欠点として, 天皇の帝号を元号とは別に考えなければならないことがあるが, それは明治以前とおなじことだし, 天皇をどう呼ぶことになろうとも, 社会生活上たいした支障は出ないだろう。
つぎの辛酉は 2041年なので, その前年まで平成をつづけていただいて(平成52年になる), 2041-01-01 に改元すればよい。
投稿時刻 2008-03-06(乙巳) 03:08 於 こよみ | コメント (2)
『爾雅音訓』に収める「釈倭」という文章は, 日本が山東の居留民の保護を口実に膠済を占領したといっているので, 1928年ごろの文かと思われるが,
秦之音変為脂那、震旦。 而脂那或書支那, 此本非悪名。 然自彼効西法後, 称我支那, 即含有軽藐之意
という。 「支那」本来の意味はわるくないのに, 近代日本のいう支那には軽蔑の意味がこもっているということ。 黄侃は, 「支那」の語を積極的に用いた章炳麟に学んだのに, すでに支那に貶意を感じるようになっているわけだ。
投稿時刻 2008-03-06(乙巳) 02:18 於 言語::地名 | コメント (0)
さいきん, いびきをかくようになったようだ。 ねているさいちゅうに, じぶんがどうやっていびきをかいているのかを観察できれば, 起きたあとでもいびきをかくことができるのではないかとおもうのだが, なかなかうまくいかない。
投稿時刻 2008-03-05(甲辰) 01:57 於 生活::その他 | コメント (0)
『世説新語』排調で, 「作危語」 (危険な句を, 「危」の字に韻(『切韻』でいうと支韻)をふませて作る) という遊びをやったとき, 顧愷之が「井上轆轤臥嬰児」と言ったという。
ここでいう「轆轤」は, 円筒形の器械で, 井戸のうえに, 軸が水平になるように置き, 手でハンドルを回転させると, つるべが巻きとられるしかけである。
しかし, どうやってそんなものの上に嬰児が寝ることができるのだろう。 井戸の上だから危険なのであって, 寝づらいから危険, というわけではないだろう。 赤子をだいた人が, 轆轤をつかうために, 赤子を手から離してちょっと井戸端に置いた, という意味ならよいのだが, この 7字をそういう意味に解釈するのは無理のようだ。
ところで, 日本でいう(陶工が使う)「ろくろ」のことを, いまの中国語では何というのだろうか?
日中辞典の類で「ろくろ」をひくと, 「陶工用的旋転円盤」のような説明がされているので, ぴったりした単語がないのかもしれない。 単語になっているものとしてはまず「陶鈞」があるが, これはいかにも雅語らしい。 『現代漢語詞典』で「陶鈞」を引くと「製陶器時所用的転輪」と説明してあるが, 「転輪」じたいは載っていない(「転輪手槍」はある)。 「転盤」というとターンテーブルになるようだ。 「陶車・陶輪」というのは現代語で使われているようだが, ふつうの辞書にはあまり見あたらない。 おそらく英語「potter's wheel」の直訳ではないか。 『中日大辞典』には「旋床子」という語が載っていて, これはたしかにろくろのことらしいが, すくなくとも現代ではあまり用いられないようだ。
投稿時刻 2008-03-05(甲辰) 01:43 於 言語::中国語 | コメント (1)
戦前の人が「支那」について何を言っていたか, すこしずつまとめていこうとおもいます。 かなりゆっくりになるかもしれませんが……
1935年以降「中国文学月報」(のちに「中国文学」と解題)を発行する。 その第1号には,
会名の「中国文学」は「支那文学」と同義である。 固有名詞が同文の二国間で翻訳なしに通用しない不便は避けたいと思う以外に 他意はない。 普通名詞としては「支那文学」と言って一向差支えない。
うんぬんという。 竹内じしんは普通名詞としても「中国」の語を使うことが多かったようだ。
しかるに, 1940 「支那と中国」(のち『日本と中国のあいだ』におさめる) では, 上で安易に「同文」云々といったことを反省している。 「支那と中国」を要約すると:
この文, およびこれ以降の戦前の文章では, 竹内は主に「支那」の語を使っているようだ。
投稿時刻 2008-03-05(甲辰) 01:00 於 言語::地名 | コメント (1)
すでに Web ページを置くための費用(月525円)以外は無料のコースだったので, 金額的にはそれほど大した問題ではないが, ぜんぜん利用していなかったので, 解約した。 PC-VAN からかぞえると, ほぼ 20年間利用したことになる。
投稿時刻 2008-02-08(戊寅) 01:18 於 blosxom | コメント (0)
「Y談」を Google で調べると 44,400件ある。 なかには「Yさん談」の意味で使っているのもあるのかもしれないが, だいたいは「猥談」の意味のようだ。 「Yセツ」は 7,560件。 入力のめんどうくさそうな「Y褻」も, 555件と意外に多い。 「卑Y」も 1,220件ヒットする。 「Y雑」は 103件。 「淫Y」は 34件(関係ないのもまじっているが)。
「わい」と読む, 日ごろ使いそうな漢字には, 「猥」のほかに「穢・歪・矮・賄」などがあるが, これらを「Y」でおきかえたものは, あまり使われていないようだ。 「Y賂」は 46件, 「白色Y星」は 2件。 「Y小化」は 7件あるが, ぐうぜんアスキーアートがひっかかったもの。 「Y曲・汚Y・醜Y」なども, 検索にひっかかるのはおおむね ぐうぜんの一致のようだ。
投稿時刻 2008-02-06(丙子) 20:37 於 言語::日本語 | コメント (2)
「正月帰省2008」 でひとつ書きわすれていた。 羽田へ行くのに数年ぶりに東京モノレールを利用したのだが, ずいぶん快適になっていたので, おどろいた。 快速が便利であるだけでなく, JR からの乗りかえが楽になっていたのがうれしい。 そういえば, 乗りかえで階段をのぼりおりしなければならないのがめんどうだという理由で, モノレールを敬遠して京急に変えたことをおもいだした (新宿方面からだと浜松町より品川が近いこともあるが)。
投稿時刻 2008-01-31(庚午) 18:54 於 生活::鹿児島 | コメント (0)
以前 「黄道十二宮の呼称 (2)」 で書いた『遠西観象図説』だが, 早稲田大学図書館の 古典籍データベース で読むことができる。 (岩波の日本思想大系にもおさめられている)
たいへん読みやすい本で, さいしょのほうにイロハ順の訳語一覧表が載っている点も近代的だ。
で, 『日本国語大辞典』に載っていなかった双児宮だが, この訳語表では
双兄宮 テウェー、リンゲン
となっていた。 「テウェー、リンゲン」とはオランダ語 tweelingen (ふたご) のことだが, しかし「双兄宮」というのは聞いたことがない。 「兄」は「児」の誤りかとも思ったが, ほかの節でも「双兄宮」とある。
投稿時刻 2008-01-31(庚午) 17:03 於 こよみ | コメント (0)
王力の区際ローマ字について, いままで「いろいろ」に書いた記事をもとに追加訂正して, 「王力ローマ字について」 というページを作ってみた。 論文を書いているわけではないので, とりあえずこんなもので良しとしよう。
ローマ字つづりは, さきに 「王力の「La romanization interdialectique」(4)」 で書いたものに, さらに一箇所修正をくわえた。 泰韻を (u)ai にするのではなく, oi とも ai とも異なるという意味で åi と書くことにした。 日本漢字音に関するかぎり, oi だろうが ai だろうが大したちがいはないのだが, このほうが, ほかの方言(呉語・粤語など) との対応関係がわかりやすくなる。 日本国憲法前文 では XUAIX(会)を XUÅIX に, LAIX(頼) を LÅIX に変更する必要がある。
投稿時刻 2008-01-17(丙辰) 02:01 於 言語::ローマ字 | コメント (3)
sci.lang でちょっとおもしろい話を見た。 「nasal m and n」という題のスレッドへの投稿 (これ と これ) によると, ベトナム語やクメール語で歌う時に, -k/-t/-p などでおわる音節をのばしたい場合は, そのうしろに ŋ/n/m などの鼻音をつづけるのだそうだ。
なんとなく謡曲の「のむ」うたいかたを彷彿とさせる。 たとえば広東語で歌うときに, こういう歌いかたをすることがあるだろうか?
投稿時刻 2008-01-15(甲寅) 18:57 於 言語::その他 | コメント (4)
2007-12-31 に飛行機で鹿児島へ。 インターネットで予約したときに送ってくる QR コードを携帯電話に保存しておくと, 空港での手続きが簡単にいくということだったが, わたしが慣れないせいか, あまり簡単ではなかった。 とくに手荷物検査のとき, まず携帯電話で QR コードを表示したのち, その携帯電話を検査してもらう必要があるのは, かなりめんどうくさい。
羽田空港の建物のなかのようすも夏とは一変しており, どこに何があるのかわからなくて, うろうろする羽目になった。
機内誌「翼の王国」の記事「ハウステンボス 宮廷庭園」に, 「エレポス(暗闇)とニュクス(夜)」とあり。 Google でしらべると, エレボスは 7850件, エレポスは 89件。
大河ドラマのために, 鹿児島では篤姫関係のみやげものがやたら多かった。
鹿児島のバスで, 降車ボタンを押すたびに運転手が 「はい, ついとります」 という。 さいしょは 「(降車用のランプが)点灯している」 という意味かとおもったが, どうやら「ついとります」ではなくて, 「次, 止まります」と言っているのだと気づいた。 おなじ文句をいつもくりかえして言っているので, 子音が摩滅したのだろう。

東京へ戻るのには, 新幹線を使った。
じつは九州新幹線に乗るのは, これがはじめて。
西鹿児島駅が鹿児島中央駅に変わってから,
はじめてこの駅を利用することになる。
新幹線「つばめ」自体はたいへん乗りごこちがいいのだが,
新八代から「リレーつばめ」に乗りかえると急にせまくなったと感じる。
しばらく乗らないあいだに, 新幹線はずいぶん速くなったね。
投稿時刻 2008-01-15(甲寅) 16:55 於 生活::鹿児島 | コメント (5)
中国のセミについてまとめた本としては, 『中国蝉科志』が 227種のセミについて記す。 台湾では『台湾賞蝉図鑑』がすぐれた本のようだ。 しかしどちらも高価で, この文章を書くためだけに購入するのはためらわれる。
とりあえず, 以下の本を読むことができた。
以上の文献と Web 上の情報を総合してみると:
『爾雅』・『方言』などに見られる
「蜋蜩・蚻・蠽・蝒・蜺・蝘・螓・寒螿・螇螰」
の類は古語であって,
今は使われないもののようだ。
文献3 には Melampsalta pellosama (緑寒蝤蝉)
というセミを「寒螿」としているが,
ほかの本には載っていない。
追記: pellosama は pellosoma の誤りではないかとおもうが,
甘粛省自然科技資源 昆虫資源庫
でも pellosama になっていた。
日本では『和名抄』のころから「茅蜩」をヒグラシにあてているし, 「蜩」だけでもヒグラシと読んでいるが, すくなくとも現代中国では「茅蜩・蜩」はアブラゼミのことのようだ。 (ただし, 昆虫の専門書以外では, 「蜩」はたんにセミの古名としか記してないことが多い)
なお「知了」というのは特定の種ではなく, 蚱蝉のことだったり鳴鳴蝉のことだったりするようだ。
投稿時刻 2007-12-22(庚寅) 23:03 於 言語::中国語 | コメント (0)
「ひぐらしのなく頃に」の中国語タイトルが, 台湾では書店により 「暮蝉悲鳴時」と「寒蝉鳴泣之時」とに分かれていて (cf. 中国語版Wikipedia 記事「暮蝉悲鳴時」), 「ひぐらし」は暮蝉と寒蝉のどっちなのか, という話題があがっていたので, 日本のセミの名前について, まず中日・日中辞典をしらべてみた。
| 日本語 | 中日大辞典 | 角川大辞典 | 現代 中国語辞典 |
新日漢辞典 | 小学館 日中辞典 |
講談社 日中辞典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ニイニイゼミ | 蟪蛄, 惠蛄 | 蟪蛄 | 蟪蛄 | 蟪蛄 | 蟪蛄 | 蟪蛄 |
| ミンミンゼミ | 鳴蝉(総称) | (なし) | (なし) | 蝉的一種 | 蛁蟟 | 蛁蟟 |
| クマゼミ | 蚱蝉, [方]馬蝉(の一種) |
蚱蝉, 馬蝉(の一種) |
(なし) | (なし) | 蚱蝉, 知了 | 蚱蝉, 大知了 |
| アブラゼミ | 鳴蜩(総称) | (なし) | (なし) | 梨蜩 | 秋蝉 | 鳴蝉, 秋蝉 |
| ツクツクボウシ | 寒蝉, 寒蜩, 秋涼 (児), [文]寒螿, [文]霓 |
寒蝉 | 寒蝉 | 黒蛁蟟(寒蝉) | 寒蝉 | 知了 |
| ヒグラシ | (なし) | 寒蝉 (曹植 詩を引く), 茅蜩, 秋蝉 |
(なし) | 茅蜩 | 茅蜩 | 日本夜蝉 |
| ハルゼミ | 雨春蝉 | (なし) | (なし) | (日本特産)春蝉 | (なし) | (なし) |
| エゾゼミ | 花蛾蝉 | (なし) | (なし) | (なし) | (なし) | (なし) |
日本にいるセミが中国でふつうにいるとはかぎらないので, しかたない面があるのかもしれないが, ニイニイゼミが蟪蛄であるのを除いては, ひどくバラバラだ。
なお中日大辞典は校訂第2版。 講談社日中辞典は 2006年の版で, 小学館のものと似るが, 「ひぐらし」と「つくつくぼうし」のところが大きく異なる。
投稿時刻 2007-12-14(壬午) 09:10 於 言語::中国語 | コメント (0)