タイの通貨単位であるバーツ(baat1)は,
日本の「両」などとおなじように,
本来は重さの単位のが, 通貨単位に流用されたものだそうだ。
重さの単位としての baat1 は 15g ほどで,
1 baat1(บาท) =
8 fɯaŋ3(เฟื้อง),
1 fɯaŋ3 = 8 at1(อัฐ) とのこと。
このうち fɯaŋ3 は固有語のようだが,
at1 はパーリ語の aTTha (8) だし,
baat1 も pAda (足)の借用だろう。
インドの伝統的な重さの単位にはいろいろあるようだが, karSa (11g 強) の 1/16 が mASaka (豆), その 1/5 が guJja (トウアズキ), karSa の 4倍が pala, pala の 100倍が tulA などで, pAda というのは見あたらない。 「足」は, 西洋などとおなじく長さの単位として使うことはあっても, 重さの単位にはならなかったようだ。
さて, 貨幣単位のバーツのことを中国語で「泰銖」というが, これがよくわからない。 「銖」は「両」の 1/24 なので, たとえば清の庫平制ならば 37.3÷24 で 1.55g のはず。 今の中国のように 1両を 50g としても, 銖は 2.08g にしかならず, 重さとしての 1バーツ = 15g にはほどとおい。 貨幣としての値と含有金属の重さとは大きくずれることがあるから, これもそういう事情があったのだろうか。 それとも, 中国ではあまり使われなくなった単位としてたまたま 「銖」 を持ってきただけなのだろうか。
ちなみに, 「銭 (両の 1/10)」を英語で「mace」というのは, 上にあげたインドの mASaka と同語源の mASa に由来するようだ。 これまたあまり値が一致しないが, インドでは測る対象によっておなじ単位名でも大きく値が変わるらしいので, こちらはあまり気にしなくてもいいのだろう。
(追記) 大英博物館のサイトに 1857年の 1バーツ銀貨 が載っていた。15.690g とある。 純度は書いてない。
投稿時刻 2007-08-09(乙亥) 22:31 於 言語::その他 | コメント (0)