都営地下鉄大江戸線の牛込神楽坂駅がある, 簞笥町(たんすまち, Google マップ)へ行ってきた。
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電柱の表示は竹冠に「單」。 |
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町内会の掲示板も「單」。 |
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区民センター入口の表示も「單」。 |
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その区民センターの入口前にある地図は「単」。 |
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地下鉄の出口の表示も「単」。 |
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これは関係ないが, 神楽坂の上にある「瓢簞坂」。 |
投稿時刻 2007-12-12(庚辰) 16:37 於 言語::漢字 | コメント (0)
「龗」(U+9F97, 「霝」の下に「龍」)は, 日本書紀で「おかみ」という読みで使われている。 日本においては, 字書の中以外で目にすることのある, 画数のもっとも多い漢字であろう。
しかし, なぜ日本書紀がわざわざこんな字をつかったのかがわからない。 説文解字では「龍也」と書いてあるだけである。 説文解字にある字なので, 後世の字書類にも孫引きされて載ってはいるのだが, この字が何を意味するのか, あまりよくわからない。 山海経(大荒東経)に「犁{霝鬼}之尸」という人面獣身の神が登場するが, 広韻によると, この「{霝鬼}」を「龗」とも書くという。 なお, 「{霝鬼}・龗」はともに「霊」と同音である。
「おかみ」というのは「岡」と関係のある語だろうか? → と思ったが, ア行のオなので, ちがうようだ。
投稿時刻 2007-12-12(庚辰) 03:49 於 言語::漢字 | コメント (0)
イ・ジェウク「韓国語がびっくりするほど身につく本」を Amazon で検索すると, 著者名が「李 〓〓」になってしまっている。 これでは何がなんだかわからない。 読みをつけてもらいたいところだ。 ebookoff だと「李【ジェ】〓」。 紀伊國屋書店 BookWeb では「李 〓〓【著】《イ ジェウク》」と, 比較的わかりやすい。
なお, 「ジェ(재)」は「栽」の「木」を「土」に変えた字(U+363D), 「ウク(욱)」は「彧」(U+5F67)である。 後者の字は IBM 拡張漢字にも含まれている。
投稿時刻 2007-12-12(庚辰) 02:10 於 言語::漢字 | コメント (0)
「幇」は, 「幫」の「帛」を略して「巾」にした字であるが, 常用漢字でないにもかかわらず, 現代の日本では, ほとんど「幇」のほうしか使われないようだ。 中国の簡体字では「帮」につくるので, 「帮・幇・幫」 のどれを使おうか, まようことがある。
現代中国語では常用されるにもかかわらず, 古典で使われない字であるせいか, 日本語では「幇助」と「幇間」くらいしかこの字の使いみちがないようだ。 このうち「幇助」はともかく, 「幇間」のほうはなんで「たいこもち」の意味になるのかわかりづらい。 現代中国語では「幫閑」と書くのがふつうのようだが, 『国語辞典』は, 「受富人豢養,以侍候他們消閑作樂,並為他們幫腔作勢的人。」 と, むりやり「幫」と「閑」の 2字をつかって説明している。 「ひまつぶしをたすける人」ということだろうか? 諸辞典は「幫閑」の出典として元曲『殺狗勧夫』を引く。 この語は元代にはふつうに使われていた語らしく, 『老乞大』にも出てくる。
『広韻』には「幫」字について, 「衣治鞋履。出『文字集略』。博旁切」という。 「幫」と同音の字には, ほかに 「縍(幫におなじ)」 「{封/手}(捍也, 衛也)」, 「{酉旁}(加杯上酒)」 「鞤(鞋革皮也)」 の 4字をのせているが, いずれも珍しい字だ。 もとの『切韻』には, この音の字は(「幫」をふくめて)載っていなかったようだ。
「衣治鞋履」というのは, すこし意味がとりにくいが, はきものの革(あるいは布)をはりなおすという意味なのだろう。 「鞤(鞋革皮也)」 とは, 「くつの革(英語でいう upper の部分)」 の意味であり, 「幫」とは名詞か動詞かのちがいにすぎないようだ。 この意味はいまでも生きており, くつの底以外の部分のことを「鞋幫」という。
「邦」と「封」は, 中古音はことなるが, 上古ではともに東部だったので, 「幫」という字は, けっこう古い時代につくられた字(またはその異体字)ではないか, という疑問がおきる。 『説文解字』には糸へんに封の字(U+42FD)があり, 「枲履也」(麻のはきもの)と説明されているが, この字と関係があるのだろうか。 『広韻』では封の下に糸を書く字があげてあり, 「小児皮屨」 と説明されている。 ただし「幫」とは発音がすこしことなり, 上声の董韻一等および講韻。 なお, この字も もとの『切韻』には載せられていなかった字のようだ。 そこまで考えなくとも, 『文字集略』に載っているというのがほんとうならば, 「幫」は南北朝時代にすでにあった字ということになる。
さて, 「幫」が「たすける」という意味になったのは, もっと時代がくだるらしく, 元代以降の例しかみあたらない。 「はきものの革」の字をつかったのは宛字なのだろうが, どのようにしてこの語が生じたのか, すこし気になる。 「幫住」(他人のあとにくっついて行く)という語があることから見て, おそらく「そばにつく」という意味がもとで, そこから 「補佐する・たすける」 という意味になったものだろう。 起源的には「傍・旁・榜」などと関係があるのかもしれない。 「青幫」や「四人幫」の「幫」は, 「たすける」の意味からさらに派生したものだろう。
(追記) 『康熙字典』が「幇」字について「同幫」といっているのに, 「幫」の読み方について「音幇」としているのは, あまりよろしくない。 また, 『大漢和辞典』が「幫」字のところで引用している『広韻』は, 読点の位置を誤っている。
投稿時刻 2007-09-13(庚戌) 01:06 於 言語::漢字 | コメント (0)
Wikipedia 英語版に, 「Biang biang noodles」 という記事があり, biang の漢字は 57画だとしている。 また, この漢字の書きかたの アニメーション GIF もある (なぜか途中までしか書いてくれないが, あとは自明ということなのだろうか)。
57画というのは, どうやらしんにょうを 3画と数えたものらしい。
「人民造字 [兼国慶菜譜]」 では, 「馬」と「長」を簡化している。 これだと 15画減るので 42画か? それでも現代漢語通用字表で一番画数の多い「齉」(36画)よりも画数が多い。
biang2 という音も普通ではないが, たぶん擬音に由来するのだろう。
投稿時刻 2007-03-19(壬子) 13:33 於 言語::漢字 | コメント (0)
Google (日本語) で "本草網目" を検索したら 21,100件もあった。 "本草綱目" は 220,000件なので, 1割がまちがっていることになる。 "本草鋼目" は 260件。
"通鑑網目" は 64件と少ない。 もっとも "通鑑綱目" も 839件しかない。 "通鑑鋼目" は 30件。
投稿時刻 2006-01-31(庚申) 09:40 於 言語::漢字 | コメント (0)
去年, 「日本語を読むための漢字辞典」 掲示板で話題になっていたアッチョロベツ(釧路町の地名)の漢字について, 日本に帰省したときにすこし調べてみたが, よくわからなかった。
アッチョロベツ(アチョロベツとも)という地名は現在は存在せず, 「城山」という名前になっている。 第二次大戦中に今の名前に変わったようだ。 しかし, 観光客用とおもわれる地名看板ではこの地名が漢字 3字で書かれており, その 1字めが「鶴」の左側+「契」のように書かれているという。 (『又飯時』はどう読む? などに看板の字が載っている)
調べたかぎり, この地名が漢字で載っているのは 『釧路町史』(1990) のみであった。 この本では, 「嬰寄別」という漢字がつかわれていたが,
昭和一〇年調査の「昆布森村土地整理図」によると、 アッチョロベツは、 「鸚寄別」 「[契鳥]寄別」 という漢字で表わされている。(p.122)
とも書かれている。 [契鳥]の字は大漢和辞典 47117 に見えるが, 「ア(ッ)」と読めそうにはない。 釧路町の地名には漢字を見ただけではどう読むのがわからないものが多いが, 漢字そのものは常用の字を使うのがふつうなので, この字は「鸚」の見まちがいかなにかではないかとおもう。 そして, 問題の「鶴の左側+契」は, この「契+鳥」を「楔」か何かの字の右側と「鶴」の右側の切りはりで表現しようとして, 左右をまちがえたものではないかと想像される。
山田秀三『北海道の地名』(北海道新聞社 1984) では, 釧路町の地名にあてられた難読漢字について指摘しているが, 「アチョロベツ」(p.262)はカタカナのみで記し, アイヌ語 achi-oro-pet 由来かとするが, 決定的なことは言っていない。 『北海道の地名』(日本地名大系1, 平凡社 2003)でも アッチョロベツ(p.1477)はカタカナ表記のみ。
なお, 明治2年の『改正北海道全図』という地図を見たが, 仙鳳趾・尻羽岬・跡永賀・昆布森・桂戀などの大地名は漢字になっているものの, サルキウシ・ホントマリ・キトウシなどの小地名はカタカナで書かれている (ざんねんながらアッチョロベツは載っていなかった)。 おそらく釧路町の小地名に今のような漢字があてられたのは, もっと後のことなのだろう。
投稿時刻 2006-01-25(甲寅) 18:24 於 言語::漢字 | コメント (0)
「皐」という字には, 「皋(白+夲)」と, 「臯(皐の白を自に換えた字)」という異体字がある。 「皐」を部分としてふくむ文字について, これらのどれが使われているかしらべてみた。
| 種別 | Unicode | JIS X 0208 |
JIS X 0212 |
GB 2312 |
Big5 | JIS X 0213 |
漢辞海 | KS X 1001 |
|
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 単独 | 皋 | U+768B | 66-08 | ----- | B8DE | AF6F | 1-66-08 | (皐異体) | ---- |
| 皐 | U+7690 | 27-09 | ----- | ---- | ---- | 1-27-09 | p.963 | CDC1 | |
| 臯 | U+81EF | ----- | ----- | ---- | ---- | ---- | (皐異体) | ---- | |
| 口偏 | 皋 | U+55E5 | ----- | ----- | E0C6 | B6E7 | ---- | p.277 | ---- |
| 皐 | U+5651 | ----- | ----- | ---- | ---- | ---- | ----- | ---- | |
| 臯 | U+5637 | ----- | 22-24 | ---- | ---- | 2-04-33 | (皋異体) | ---- | |
| 木偏 | 皋 | U+69D4 | ----- | ----- | E9C0 | E252 | ---- | ----- | ---- |
| 皐 | U+69F9 | 60-63 | ----- | ---- | ---- | 1-60-63 | p.750 | ---- | |
| 臯 | U+6A70 | ----- | ----- | ---- | ---- | ---- | ----- | ---- | |
| 日偏 | 皋 | U+66A4 | ----- | 34-56 | ---- | ---- | ---- | (白偏異体) | -- |
| 皐 | U+66AD | ----- | 34-57 | ---- | ---- | 2-14-15 | ----- | ---- | |
| 臯 | U+66CD | ----- | ----- | ---- | ---- | ---- | ----- | ---- | |
| 白偏 | 皋 | U+769E | (IBM) | ----- | ---- | E6BA | 1-88-67 | p.964 | ---- |
| 皐 | U+76A1 | ----- | ----- | ---- | ---- | 2-81-80 | (皋異体) | ---- | |
| 臯 | U+76A5 | ----- | 46-34 | ---- | ---- | ---- | (皋異体) | ---- | |
| 羽旁 | 皋 | U+7FF1 | ----- | ----- | B0BF | BFAC | ---- | (臯異体) | ---- |
| 皐 | U+7FF6 | ----- | ----- | ---- | ---- | ---- | ----- | ---- | |
| 臯 | U+7FFA | ----- | 53-36 | ---- | ---- | 1-90-35 | p.1127 | ---- |
(JIS は区点番号で, ほかは 16進)
中国・台湾では「皋」に統一されている。 日本では「皐」が「さつき」に使われる以外はどれもあまり見なれない字だが, ひどくまちまちである。 用例主義のしからしめるところだろうが, もうちょっと統一がとれていてもいいのではないかとおもった。 Unicode がぜんぶべつべつにコードをわりふってるのは, やりすぎのような気がする。
投稿時刻 2005-11-30(戊午) 07:33 於 言語::漢字 | コメント (2)
「査」という字の下部は, 日本では「且」である, ということになっている。 当用漢字字体表 (青空文庫の 当用漢字字体表 にスキャンあり) でも, 常用漢字でも, そうなっている。 むかし学校の習字の時間に「下は旦」とならったような気がしたが, 気のせいかもしれない。 新字源ではわざわざ下が「旦」になっている字をあげて, 「誤字」としている。
いっぽう中国では(台湾も)下が「旦」の字が正式である。
Unicode では, 「査」が U+67FB に, 下が「旦」の「查」が U+67E5 に,
べつべつの符号位置をあたえられているが,
おなじ符号位置にまとめてくれたほうがありがたかったとおもう。
(JIS X 0208 の包摂規準 64)
JIS X 0208 で「査」を部分としてもつ字にはほかに「渣 (U+6E23)」があって, こちらは 1983年までの例示字体では下が「旦」になっていた。 MS 明朝も下が「旦」のようである。 手偏の「揸 (U+63F8)」は, GB2312 と JIS X 0212 にはいっていて, Windows XP では中国語フォント(SimSun) にすると下が「旦」に, 日本語フォント(MS 明朝) にすると下が「且」になる。
投稿時刻 2005-11-30(戊午) 04:20 於 言語::漢字 | コメント (0)
2003年に陝西省宝鶏眉県楊家村から出土した大量の青銅器群は, 逨という人物に関連したものなので, 「逨鼎」「逨盤」「逨盉」などと呼ばれている (ただし, この字は「逨」じゃない, ともいう)。 銘文がひじょうに長いだけでなく, 文王から厲王まで, 西周の大部分(11代)の王名が順に記され, 逨が厲王の次の宣王の時代の人であることがわかるという重要な意味をもつ (とちゅうまでなら従来も史牆盤があった)。 だいたい青銅器の銘文では王の即位から何年めに作られたかを記していても, それがどの王であるかを記していないことが多いので, 宣王時代のものであることがはっきりしているこの青銅器は貴重である。 ことし日本でひらかれた「中国国宝展」でも展示されたそうだ。
この「逨」という字は JIS X 0208/0213, GB2312, BIG5 にない。 金文の字, とくに人名は特殊な字が多いので, べつだんおどろくべきことではないが, Unicode には U+9028 の位置があたえられている。 JIS X 0212 (補助漢字) にふくまれているために, Unicode にも収録されたものであろう。 しかし, なぜこの字が補助漢字に収録されたのかはよくわからない。 大漢和は玉篇・広韻・集韻を引くが, じっさいの用例を示していない。 補助漢字はぜんたいとしてはかなり使いものになるものであるとおもうが, ときどきこういうふしぎな字がはいっていることがある。
投稿時刻 2005-06-08(癸亥) 01:32 於 言語::漢字 | コメント (0)
毎日(2/26夕刊) 市町村合併:ひらがな市町、約30誕生 狙いは摩擦回避? に,
谷川彰英・筑波大大学院教授(地名研究)は 「日本の地名は、 漢字で伝承されてきた。 漢字に込められた情報量は多く、 音だけでは意味がない。 地名に理解のない人が決めているのではないか。 漢字で物事を考えない現代の風潮も影響していると思う」 と警告している。
谷川彰英氏は「南セントレア市」でも批判していた。 まあ「南セントレア市」は名前じしんがとっぴなので, 批判に賛同できるのだが, 日本初の人工衛星が 「おおすみ」 と命名されたときの感激をいまも記憶する鹿児島県出身者としては, ひらがな市名がわるいとはおもえない。
まず, 「日本の地名は、漢字で伝承されてきた」 についていうと, 歴史的になんども字をかえた地名があるが(鹿児島の例でいうと, 揖宿・指宿, 給黎・喜入など), 漢字がかわってもそれほど混乱しなかったのは, 「かなで書いたらおなじ」 だからで, むしろ音でつたえられてきたといった方がいいだろう。 つぎに, 「音だけでは意味がない」というのは, たとえ「日本の地名は」という主語をおぎなってみても, たとえばラジオのニュースにでてくる地名にはすべて意味がないことになるのでおかしい。 それに, ひらがなはあくまで文字であって「音」ではない。 そのつぎの「漢字で物事を考えない現代の風潮」というのはもっと理解しがたい。 この記事の上のほうで, かな地名をえらんだ理由に 「親しみやすさ」をあげている。 漢字で考えないかぎり「漢字地名よりひらがな地名の方が親しみやすい」 と理解できるわけはないから, 「漢字で物事を考えない」という批判は論理的に意味をなさないのではないか。
飯間さんの 「町名廃止に衝撃」 によると, 「さいたま市」について, 金田一春彦氏はむしろ漢字の 「埼」 の字の方が問題だといっていたという。 こちらの方がなっとくできる意見だ。
投稿時刻 2005-03-03(丙戌) 08:53 於 言語::漢字 | コメント (12)
索引をパラパラとみてみただけなので, 不正確かもしれないが, 広韻で一字にいちばん多くの音がついているのは「芃」で, 8音ある。 それについで「濼・哆」が 7音, 「跧・掲・番」が 6音だが, どれも日常的につかう音がたくさんあるというものではない。 5音をのせる字は 20字以上あるようだが, そのうち「比・著・参」あたりは多音字らしくかんぜられる。 とくに「参」は 5音のうち 4音が現代中国でも生きている(can1, san1, shen1, cen1)。 ただし san1 と読むばあいには, 下を「三」に書く(叁)ことになっている。 なお「著」はいまも 5音(zhu4 zhuo2 zhao1 zhao2 zhe)あるが, これは広韻の 5音には対応しない。 多音字として有名な「数・射・行」などは 4音, 「楽」は 3音のみ。
投稿時刻 2005-02-25(庚辰) 13:21 於 言語::漢字 | コメント (0)
文化審議会で常用漢字の見なおしがつたえられていることに関して, ちょっと地名の常用漢字外字のリストを…… とおもったが市町村合併をまった方がいいか。 とりあえず合併前には, 都道府県郡市区町村名には常用漢字にふくまれない字が 260字強あった。 JIS X 0208 ができるときに, これらの字はすべてふくむように作られた (が, もれがあった) ので, これらがもしすべて常用漢字にくわえられても, 字体の問題はとりあえずおいて, コンピューターでつかえなくてこまる, ということはあまりかんがえられない。
しかしその県に住んでいる人以外には読めない字もすくなくない。 鹿児島県でいうと, 「姶良郡・揖宿郡・頴娃町・祁答院町」あたりは小学校でならうが (以前は囎唹郡というのもあった), 県外の人にはあまり読めないだろう。 (姶良郡と祁答院町は合併でなくなりそうなようすだが, 揖宿郡頴娃町はのこるようだ) 常用漢字を常用の音訓でつかうばあいは, ふりがなをふらなくてよい, というげんざいの慣行をあらためないかぎり, このへんの字を常用漢字にいれるのは不適当だろう。
また, 日本語の正書法の確立のうえからいうと, 地名に異体字がひじょうに多いのも問題だ。 異体字は「地名にのみ」つかう, というふうに限定しなければならないだろう。
さて, もうちょっと範囲をせまくして, 都道府県名だけにすると, 下の 11字が常用漢字外だ。 (下線をひいたのは, 2004年9月の追加字以外の人名用漢字。以下おなじ)
埼・奈・媛・岡・栃・梨・熊・茨・阜・阪・鹿
旧68か国名では, つぎの 11字が常用漢字外。
伊・幡・播・斐・筑・耆・薩・讃・阿・駿・騨
これに明治に追加された磐城の「磐」, 近畿の「畿」, 琉球の「琉」, 「蝦・夷」, あと札幌の「幌」, 北海道支庁名につかわれる「釧・樽・檜・萌」をくわえて 32字。
このうちほかの常用漢字の異体字に「阪(坂)」「埼(崎)」がある。 異体字は固有名詞のみにつかうように注意する必要があるだろう。 また, 異体字ではないが, 「おか」に「丘・岡(阜も?)」, 「ひめ」に「姫・媛」のどちらをつかうかなやむことになるのをふせぐため, これらの字も固有名詞用というマークをつけるひつようがでるだろう。 字体上から問題になるのは「驒・騨」「讚・讃」などもあるが, やっぱり「檜・桧」がいちばん問題だろう。
……うーん, やっぱりいままでどおり, 固有名詞用の字は常用漢字の範囲からのぞいたほうがいいのではないかな。
投稿時刻 2005-02-17(壬申) 11:58 於 言語::漢字 | コメント (7)