今回は時差と夏時間について。
日本はひとつしか標準時をもたないが, 米国は広いので, 8つの時間帯にわかれている (cf. United States Law - 15 U.S.C. §6(IX)(260-7) Time zones and daylight saving time)。 このうち, アラスカを除くアメリカ大陸で使われるのは, 東から順に東部標準時(EST), 中部標準時(CST), 山地標準時(MST), 太平洋標準時(PST) の 4つ。
また, 原則として 4月の第1日曜日の 2:00 から10月の最終日曜日の 2:00 まで, 時計を 1時間すすめる「daylight saving time」(夏時間)を採用している。 時間帯ごとに東部夏時間(EDT), 中部夏時間(CDT), 山地夏時間(MDT), 太平洋夏時間(PDT) とよぶ。 ちなみに PDT=MST, MDT=CST, CDT=EST である。
じっさいには夏時間の採用は州ごとにことなっていて, アリゾナとハワイでは夏時間を採用していない。 またインディアナ州では郡(county)により CST/CDT(=EST), EST(夏時間なし), EST/EDT を採用している地域にわかれる。 とにかく日本ではかんがえられないほどごちゃごちゃしており, 夏時間の終了をうっかりして飛行機に乗りおくれたとかいう事件はいとまがない。
夏時間を採用している地域での問題は, 部屋中の時計を年に 2回あわせなおさなければならないことだが, めんどうくさい・または時刻のあわせかたがわからない (中古車で説明書がないので時計の使いかたがわからないなど), ということも多く, 一年じゅう夏時間のままにしている人もいる。 とくにデジタル時計では「1時間もどす」のにボタンを 23回押す必要があるものが多く, めんどうきわまりない。
テレビやビデオ機器のばあい, PBS(教育チャンネル)から送られる信号を利用して自動的に時刻をあわせる機能がついていることが多い。 米国は日本よりも停電が多いので, この機能がないと録画に失敗する心配がある。 また, 手動のばあいでも, 自動的に夏時間のきりかえをおこなう機能がついているものが多い。
さて, 夏時間の自動きりかえをおこなうばあい, 録画してるとちゅうで夏時間のきりかえがおきたらどうなるのだろうか。 夏時間がはじまるばあいには, たんに 1時間とばされるだけだから問題はすくない。 存在しない時間が無視されるだけである。 しかし逆のばあいは, 2:00 から 3:00 が 2回あるわけなので, この 2回めの 2:00-3:00 を指定して録画する, ということができないわけだ。 また「2:30 から 3:30 まで」を指定したばあいにどう録画されるか試してみたところ, 1回めの 2:30 から, 2回めの 3:00 のあとの 3:30 まで, つまり 2時間にわたって録画された。 (べつなビデオ機器では(説明書を読んだだけだが), 「1回目の 2:30 から 3:00 まで録画し, 2回目の 2:00 から 2:30 までは停止, 2回目の 2:30 から 3:30 まで録画するので, 合計 1時間半」 というものすごい録画のしかたをするらしい。 たしかに合理的ではあるかもしれないが……) このへんの混乱をふせぐためであろう, 夏時間の終わる日の 2:00 (標準時で 1:00)から 3:00 のあいだは, 各局ともあまり重要でない長時間番組を流しているのがふつうだ。
番組はだいたい東部・太平洋時間で(数字の上で)おなじ時刻になり, 中部時間では 1時間はやくなるように放送するのがふつうで, たとえば番宣の画面に「10/9c」と書いてあったら, 東部・太平洋時間の 10時, 中部時間の 9時に放送する, という意味である。 (山地時間は人口がすくないためか, 書いてないのがふつう) もちろんみかけの上でおなじであっても, 東部時間と太平洋時間では 3時間のずれがあるので, Web 上の掲示板ではよく 「太平洋時間の人が見おわるまでネタバレ禁止」 の注意書きをみかける。
投稿時刻 2004-09-22 10:07 於 life::av | コメント (0)