メキシコ料理のような名前と見かけなのに, じつはメキシコには存在しない料理, それがチリである。 チリ(chili)というのはスペイン語でトウガラシのことだが (ただしスペイン語では chile と書いてチレと読む), 米国でたんにチリというと, 料理としてのチリをさす。 正確にはスペイン語 "con carne" (= with meat) をつけて, チリ・コンカルネとよぶが, 肉のはいっていないベジタリアン用のチリもある。
ひき肉とメキシコ料理でよく使う豆をまぜて, トウガラシやニンニクやトマトをつかったソースとともに煮つめた一種のシチュー。 このみによって, タマネギやチーズをくわえることもある。 ドロッとした見ためのわるさにおそれをなして, さいしょは敬遠していたが, さいきんはすきになってきた。
チリの起源にはいろんな伝説があるが, どうやら 19世紀にテキサスではじまった料理らしい。 テキサスはもとメキシコ領だったので, メキシコ料理といえないこともないのかもしれないが, 現在のメキシコには存在しないようだ。 The History Of Chili ほかにある J.C. Clopper のことばによると, 家が貧乏で肉がじゅうぶんに買えないために, シチューにして増量したのがもと, みたいなことが書いてあっておもしろい。
会社のカフェテリアのチリを, 鶏カツ丼とならべてみた。 こうしてみるとなんとなく自然 :-) ハヤシライスの具のようにみえなくもない。 容器がおもちかえり用のものでなかったらもうちょっと見ばえがしたのだが。
投稿時刻 2004-12-02 14:40 於 life::food | コメント (5)