マンガやアニメをうんぬんする人なら きっとこの本を読んでいるだろうとおもっていたが, 意外にもあまり知られていないようなので紹介。
国語学者の 金水 敏 さんによる 『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波 2003) という本がある。
まんがや小説で博士はなぜ「わしは……じゃ」のようなことばをつかうのか, 中国人はなぜ語尾に「アルヨ」をつけることになっているのか, といった問題を提起し, 多くの人にはひじょうに意外であるだろう結論をしめしている。 さらに, それにとどまらず, これらのことばの由来をしらないわれわれが, なぜこれらのステレオタイプ表現をきいたときに, 博士っぽいとか中国人っぽいとおもうのか, という考察もしている。 日本語にかんする本であるにもかかわらず, マンガ・アニメに大いに関連しているのでぜひご一読を。
ティーン・タイタンズのメンバーが見ただけでどんな性格かわかる, というのはこのステレオタイプの力を利用したものだし, カートゥーンにでてくる日本がいかに現実の日本とことなっていても, 改良されることがないのも, カートゥーンではものごとを類型化してとらえる必要があるためであろう。
なお, 金水さんはふるくからコンピューターを研究に利用するための努力をしている人でもあり, ネットワーク上でみられる論考も多い。 ご本人のサイトの中にある, 「研究手帳:〈アルヨことば〉その後」(pdf) は, この本を補足する内容になっている。 岡島昭浩さんのサイトには, もっとくわしい 「文献に現れた述語形式と国語史の不整合性について」 がある。
投稿時刻 2004-11-23 19:00 於 toon::anime | コメント (7)